新着プジョー207GTIターボ5速ミッション ビアンカホワイト正規デイーラー

◆新着入庫は新着プジョー207GTIターボ5速ミッション ビアンカホワイト正規デイーラーです。

◆最上級グレードのGTIはならではの装備が施されております。

いいクルマとキャラクターのある愛すべきクルマはちがう、といわれることがある。攻・走・守の3拍子がそろった好選手と、攻だけとか走だけとか守だけとかが傑出した選手と、どっちが愛されるかといえば、たぶん後者だろう。人間もそうだ。「ステキな人」はしばしば「いい人」ではない。プジョー207に加わったホッテスト・ヴァージョンであるGTiは、いわゆる「いいクルマ」ではない。207のスタンダード・モデルともいうべき4AT装備、グレード名なしの「207」と、その充実装備モデル「207シエロ」は「いいクルマ」であるとしても、だ。グッド・バランスを失したところにGTiの見所がある。

 GTiは、175psを発生する直噴ツイン・スクロール・ターボを搭載する1.6リッターに武装される。同排気量の120ps自然吸気ユニットを積む「207」の1.5倍近いパワーである。トルクも1.5倍増しの24.5kgm(207は16.3kgm)だ。直噴ターボ搭載の207としては、150ps の「GT」がすでに存在するが、GTi用のエンジンにはターボにオーバーブースト装置が付く。このオーバーブーストは、ギアが3、4、5速のどれかにあって、エンジン・スピードが1600~4500rpmの範囲内にあるときに、ドライバーがフル・スロットルを踏むと、絶対圧を1.8バールから2.0バールに上げる。そのとき通常比20%増しの27.5kgmのトルクを絞りだす。オーバーブーストがかかったGTiは、1段目を切り離した2段目のロケットのようにひときわ鋭く加速する。同時に急激に増大したトルクをにわかに吸収できないフロント・タイヤが暴れ、それがトルク反動としてステアリングに伝わる。トルクでステアリングをとられるトルク・ステアという現象だ。ピットを飛び出していくF1のようになる、とおもえばいい。と、ことほどさようにバランスが悪い。そして、そんなワルぶりがバカなクルマ好きにはおもしろい。
 
175ps/6000rpm、24.5kgm/1600-4500rpmの4気筒直噴ターボはぎゅうぎゅうに押し込められている。
暴れん坊
 この強力なパワー・ユニットを受け止めるために、GTiはブレーキ、クラッチが強化され、専用のスタビライザーと強化スプリングも得ている。また、トルク過多による低速コーナーでのトラクション能力の低下を食い止めるために、1速だけギア比を高くするキメの細かいチューンも受けた。しかし、それでも低速コーナーでのGTiは暴れん坊である。ちょっとでもオーバースピードでコーナーに入ろうものなら、たちどころに強いアンダーステアでドライバーに報復するし、なんとかクリッピング・ポイントをクリアしてガツンとスロットルをフロアに釘付けにすると、おもしろいぐらいにトルク・ステアが挑発してくる。さいきん、こういうジャジャ馬の前輪駆動車にはなかなかでくわさないから、懐旧の念すらおぼえた。
 技術的には、このGTiで「SSP」(ステアリング・スタビリティ・プログラム)なる機構が初登場した。凍結路面などで左右輪の摩擦係数(μ)が異なって、摩擦の高いほうにステアリングをとられたときに、電動ステアリングがクルマを直進方向に戻すように反力を与える仕組みである。このシステムの恩恵を受けたかどうかは自覚できなかったが、ESP(車両姿勢制御装置)とステアリング自動修正を組み合わせた技術が、これからは当たり前になっていくのにちがいない。
 
 
というように、GTiは特別な207だ。しかし、低速でこそ締め上げられた足回りのせいで強いゴツゴツ感のある乗り心地をまぬがれないものの、60~70km/h以上になると、サスペンションのストロークが効いてきて、フランス車らしいしなやかな乗り心地になる。オトナの味が出てくる。ターボ・エンジンにトップ・エンドの切れがないのは惜しまれるが、日常使用に耐えるリトル・ダイナマイトとして、207GTiは貴重な存在だとおもう。
インテリアはアルカンタラを多用したブラック

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